◇2回戦(横浜スタジアム)
広島
000 000 103|4
002 030 20x|7
横浜DeNA
吹き付ける風にも、肌を突き刺す雨にも、右腕は揺るがなかった。モスコーソが7回を1失点。前夜に毎回の17安打を浴びた広島打線を散発4安打に封じた。2013年9月以来となる広島戦のカード勝ち越しを決め、お立ち台に上がったヒーローは「みなさんの声援の力で勝つことができました」と最後まで応援したファンを盛り上げた。
序盤の3回を完璧に抑え、流れを引き寄せた。最速148キロの直球を軸に力でねじ伏せたかと思えば、120キロ台のチェンジアップと緩急を巧みに操った。「ボールを低めに集めることができ、自分のやりたい投球ができた」。中畑監督も「圧倒する雰囲気があった」と絶賛した。
来日1年目の昨季は9勝して球団の外国人投手のシーズン記録を更新し、新たに2年契約を勝ち取った。春季キャンプではジム通いを2日に1度ペースにセーブするなど体調管理を徹底。「去年を超える勝利数」のため、準備に抜かりはなかった。
この夜は、ベネズエラから訪れた母親の前で、チームにとって13年4月6日以来となる貯金をもたらす好投。指揮官が「貯金は三つ、四つして初めて貯金。一つや二つの貯金はいらない」と引き締めると、陽気な31歳も続けた。
「できる限りの力を出して、ホームの試合で勝ち続けたい」。快進撃の主人公になる覚悟だ。
「モスコーソが隙を与えなかった間に、攻撃がリズムをつくって追加点を挙げていく。素晴らしい勝ちパターン。三つ取りにいきたい」
ロペスが3試合ぶりの本塁打で勝利を引き寄せた。
五回に筒香の犠飛で3点差に広げ、なおも2死一塁。昨季は5打数無安打に封じられていた野村のチェンジアップを捉え、左翼ポールに直撃させた。2号2ランに「良いスイングができた。ホームランにはならないと思ったんですけど、届いて良かった」と喜んだ。
2年間在籍した巨人時代には横浜スタジアムで打率3割9分7厘、20打点と荒稼ぎ。相性のいい球場で31歳が存在感を示した。
開幕から打撃に苦しんでいた石川が3安打をマークし、先制打で今季初打点も記録した。
三回1死一塁で初球の外角、137キロを左翼ライン際に落とす技ありの適時二塁打。スタートを切っていた一走・関根を悠々と迎え入れ、背番号7は「うまくボールに合わせることができましたが、飛んでくれた場所がラッキーでした」と笑った。
開幕カードの巨人戦では打率7分7厘と低迷。広島戦から打順を2番に下げられていたが、この夜は奮起。11年目の生え抜きの調子がようやく上向いてきた。
○筒香
(五回1死一、三塁で2打点目の右犠飛)
感触は良かったんで、スタンドまでいくかなと思ったんですけれど、風で戻されちゃいました。