プロ13年目の後藤が、けがで苦しんでいる。開幕を1カ月前に控えても調整のペースが上がらないが、34歳のベテランは「どうあがいても仕方がない。ここが踏ん張りどころ」。日本球界に復帰した盟友の存在も励みに、懸命のリハビリに取り組んでいる。
23日、嘉手納での2軍練習。ウオーミングアップする一群の中に後藤の姿はなく、一人離れて体幹トレーニングなどを黙々とこなしていた。
キャンプ序盤に左太もも裏の肉離れを発症。全体練習に復帰した22日には右足首を捻挫した。
「立場的に一年一年が勝負。(復帰直後に)もう一回けがしたショックは大きい」
それでも、横浜高時代のチームメートで、米大リーグから復帰した松坂(ソフトバンク)との対戦を夢見て、前だけを見据える。
「永遠のスーパースター。その差は縮まらないと思うけど、確かめられるいい機会。僕も少しくらいは成長している」。2人の原点である横浜スタジアムでの対戦(ソフトバンク戦)は6月2、3、4日。万全な状態で迎えるためにも、下を向いてなどいられない。
昨シーズンは打率2割8分3厘。代打に限れば、29打数11安打、9打点と存在感を示した。後藤は今季も、一振りに懸ける覚悟だ。焦りがないと言えばうそになるが「けがをするか、しないかのはざまで練習をしてかないと僕らは生きていけない」。第一線で戦い続けてきた誇りも胸に、ギリギリの戦いを続ける。
【神奈川新聞】