ブルペン総動員の総力戦を連日強いられてきた、つけが回ってきたのか。先発から中継ぎまで17安打11失点と総崩れ。5連勝中とあって試合前の中畑監督は「いい流れが来ているのも投手力がついたおかげ」とご機嫌だったが、その言葉をことごとく裏切った。
「中継ぎのことはあまり責めないでください」と苦渋の表情の川村投手コーチ。確かに、先発の陳冠宇が試合をつくれなかったのがそもそもの原因だろう。
台湾球界の若き星も来日4年、故障に苦しめられ、これが初の大舞台。2軍での成績を認められて抜てきされたが、緊張からか、立ち上がりからストライクが入らなかった。
二回、先頭キラに逆球となった内角直球を右翼席に運ばれ、三回無死一塁にはエルドレッドに痛恨の2ランを浴びた。
「コントロールが甘かった。試合をつくれなかった。悔しい」。三回途中4失点で降板した23歳はうつむいた。
五回に筒香の3ランで一時同点に追いついたものの、今度は土屋が踏ん張れない。死球から崩れて2失点。勢いづく広島打線に万谷、国吉の若手が次々とのみ込まれていった。前半戦を支え続けたルーキーの守護神三上が前夜に打ち込まれた。打線は上向いているだけに、球宴明けのリリーフ陣の復調に期待したい。
【神奈川新聞】