◇打線徹底 宿敵を攻略
「上位を目指すためには破らなければいけない壁」。開幕戦で惨敗を喫していた昨季新人王、ヤクルトの小川の復帰戦。昨季から3連敗中の宿敵に土をつけようと、中畑監督をはじめ、横浜打線は燃えていた。
これまで散々苦しめられたフォークボールに対してバットが止まる。「低めはすべて捨てるつもりで、ベルトの高さに的を絞った」。進藤打撃コーチ兼作戦担当が言うベンチの策を、この夜は徹底していた。
二回。後藤が高めの変化球を指示通り逃さず、先制の二塁打で先陣を切る。ボール球を冷静に見極めて相手エースに多く投げさせ、球数が90球に乗った五回には、筒香が5-0とする2ランでとどめを刺した。
「今季は一度も逆方向に打ててなかったから良かった」。自己最多の11本目に若き4番が顔をほころばせた。
グリエルの存在も光った。飛行機恐怖症から沖縄遠征を見送ったが、10日に両親と婚約者のリアネットさん(25)らが来日。「家族が観戦に来ているので頑張った」という11日に3安打をマークし、この日は5号ソロを含む2安打を放った。「(本塁打は)外角をしっかり捉えられた。沖縄に行けなかったのは残念だけど、コンディションをしっかり整えられた」という。
難敵をついに打ち崩し、これで3連勝。夏到来とともに打線もいよいよ本格化する。
【神奈川新聞】