ブランコ、筒香、荒波…。主力が相次いで離脱し、くしの歯が欠けたはずの横浜打線が、かつての輝きを取り戻したかのように猛威を振るった。打ちも打ったり16安打11得点。光ったのは脇役たちのバットだ。
圧倒的な存在感を見せたのは、昇格即4番に起用された後藤。初回2死二塁で先制2ランをバックスクリーン左にたたき込んだのをあいさつ代わりに、4安打4打点と大暴れした。
「これが野球の醍醐味」と声を弾ませた背番号55。5月中旬に左内転筋痛で登録を外れたが、実戦感覚を鈍らせまいと、機会を見つけては2軍の投手を相手にバットを振り続けていた。中畑監督は「こんなに活躍するならもっと早く来てほしかったくらいだね」と、34歳のベテランを当面4番に据える方針を示した。
もう一人。井手も三回に連夜の本塁打を放つなど2安打3打点と結果を残した。「スタメンで出るなら2安打はしないといけない」。生き残りに懸ける30歳は有言実行の活躍で存在感をアピールした。
苦手の交流戦で2008年以来最多となる10勝目。大量離脱のダメージはもちろん否定できないが「それをチーム一丸でカバーしないといけない」と後藤。新主砲「ゴメス」の言葉がひときわ心強かった。
【神奈川新聞】