見どころは、主砲ブランコが1カ月ぶりに登場したシーンぐらいか。モスコーソが突如崩れ、打線は昨季3勝を挙げられている天敵の阪神メッセンジャーにわずか3安打に終わった。いいところが一つもない敗戦に、中畑監督は「力負け。手も足も出させてもらえなかった」と、お手上げといった様子だ。
「何が起きたのかは謎です」。川村投手コーチがこう振り返ったのは四回だ。ここまで無安打のモスコーソが急変した。
1死無走者から4連打を浴びて先制を許すと、押し出しのデッドボールで2点目、さらにはメッセンジャーの投前のゴロを拾えず、あたふたしている間に三走に3点目のホームを許した。
「ボール自体は悪くなかった。不運が重なっただけ」と助っ人右腕。ただ、五回に今度は押し出し四球を与えては、試合後のコメントも強がりにしか聞こえない。
押し出しはいずれも、阪神に移籍した鶴岡へのもの。しかも昨季の正捕手はメッセンジャーを強気に引っ張り、ほぼ半世紀ぶりとなる甲子園での3試合連続完封に導いたのだから、横浜ファンの胸中はいかばかりか。「今日はあのバッテリーにやられた」と中畑監督の言葉にもやりきれない思いが見える。
18日は交流戦前の最後のゲーム。「何とか勝ち越して(交流戦を)迎えたい」。指揮官が話すように確かに落とせない一戦だ。
【神奈川新聞】