【フルマーク】バルの「1発」、3連勝で最下位脱出/ヤクルト戦から
ベイスターズ | 神奈川新聞 | 2014年5月11日(日) 03:00
記録にも記憶にも残る勝利だった。七回1死まで無安打無得点。均衡を崩し、そして4月13日から座っていた単独最下位からの脱出を決めたのはチーム唯一の安打、バルディリスの一発だった。
七回1死二塁。この日4番に座った背番号52は甘い初球を逃さず、左翼席にたたき込んだ。「どうだ、見たか」。ダイヤモンドを走りながらベンチに向かって指を差す。ここまで無失点の粘投を続けていたモスコーソに「俺がホームランを打ってきてやる」と約束し、向かった打席だった。
球団史をひもとくと、1安打での勝利は2001年9月28日以来。加えて、この奇跡的な1勝が1978年に開場した横浜スタジアムで積み上げた通算1千勝目(負けは1092試合)になったのだから、ファンにとってはたまらない。
記念すべきハマスタでの1勝は、同年4月4日のこけら落としで斉藤明雄(現ロッテ2軍投手コーチ)が巨人打線を1失点に抑えて完投で挙げた勝利。以来、36年の歳月をかけてようやく到達した記録である。
節目の日にヒーローになった助っ人は「メモリアルな日に立ち会えてよかった。でも終わりじゃない。2千勝、3千勝と続けないとね」と笑う。昨季は横浜スタジアムで12の借金をつくったが、今季は7勝8敗。中畑監督は「最低でも(勝率)5割は欲しい。明日(11日)勝てば、その目標に届く」と今季初の同一カード3連勝もにらんだ。
【神奈川新聞】