
今最も頼りになる助っ人右腕が、敵地の空気にのみ込まれた。モスコーソは8安打5失点で、今季最短となる五回途中で降板。「一つでも多くアウトを取るつもりだったが、結果的に点を与えることになって残念だ」とうなだれた。
勝負どころで変化球の制球が甘くなった。
味方が同点に追い付いた直後の四回。先頭の丸にスライダーを二塁打にされると、2死から前の打席に2ランを浴びている松山を敬遠策で歩かせたが、続く木村に甘く入った初球のチェンジアップを左前に運ばれた。
五回には2死無走者から4連打で2失点。川村投手コーチは「いつもは踏ん張れていたところで失投。マエケン(前田)との3度目の勝負というプレッシャーもあっただろう」と推測した。
先発陣で唯一安定していたモスコーソが崩れ、エース前田が相手となれば勝機は薄い。打線は3安打2得点に抑えられ、連勝は4で止まった。
それでも明るい話題もある。支配下登録されたばかりの万谷が六回に初登板。2三振を奪って三者凡退に切った。「満員のお客さんの中で投げるのは初めてで緊張しすぎた。でも次は大丈夫」と初々しいコメント。クラブチームからはい上がった26歳は「1年で駄目ならクビを覚悟していた」と言う。
そのハングリー精神こそ最下位チームが見習うべきもの。首位とのカードを何とか勝ち越して、巨人戦を迎えたい。
【神奈川新聞】