(金額は推定)
横浜DeNAの石川雄洋内野手(30)ら5選手が21日、横浜市中区の球団事務所で契約更改交渉に臨み、石川は700万円減の6300万円で更改した。
横浜高出身でプロ12年目の石川は今季95試合で打率2割9厘、2本塁打、14打点の不本意な成績に終わり、「クライマックスシリーズに出場していい経験ができたが、1年間フルで戦えず、悔しい気持ちも強い」と心境を語るとともに来季の巻き返しを期した。
また、10年目で初めて1軍登板がなかった高崎健太郎投手(31)は800万円減の2500万円、小杉陽太投手(31)は350万円増の1550万円、松本啓二朗外野手(30)は200万円減の1300万円、大原慎司投手(31)は300万円減の2600万円でそれぞれサインした。

レギュラー奪還誓う30歳
プロ12年目の今季、悲願だったクライマックスシリーズ(CS)の舞台に立った石川は言う。「とてもいい経験ができた。また行きたい」
ファースト、ファイナル両ステージに計5試合、スタメンでは3試合に出場。広島とのファイナルステージでは3試合で7打数3安打の好成績を残し、現役時代にともに戦ったラミレス監督の期待に応えた。
しかし、満足できる年ではなかった。レギュラーシーズンは95試合で打率2割9厘、2本塁打、14打点。2季連続で正二塁手に定着できなかったふがいなさから本音も漏れる。「悔しい思いが強い。成績が残せていない中で(CSに)出ることが苦しかった」
ただ、来季への好感触はつかんでいる。ファイナルステージは「ことし一番、打撃の感覚が良かった」と語り、今オフの目標も「戻った感覚を保てるように調整する。30歳になったし、体を考えてサプリメントも取り入れたい」と例年以上に明確になっている。
三浦が今季限りで現役を引退。現役の生え抜きでは最長の13年目を迎える。「もう後輩の方が多い。野球だけでなく、私生活でも模範になれればいい」。あと76安打で通算千安打に到達するが、来季も残留のエリアンに加え、ヤクルトを戦力外となった田中浩らと定位置を争う。「やるべきことをやり、春からアピールして年間を通して試合に出る」

高崎、800万円減2500万円
「故郷に勇気を」復活期す
プロ10年目で初めて1軍登板がなかった高崎は「振り返るも何も、悔しい1年だった」と唇をかんだ。
「状態が良かった」と実感していた2月の春季キャンプ。痛風による左足人さし指付け根の炎症で別メニュー調整を余儀なくされた。「私生活すらままならなくなった。歩けず、動けない状態だった」。実戦復帰は6月までずれ込んだ。
4月には生まれ故郷の熊本を中心に地震が相次ぎ、熊本地震の影響で甲佐町の実家は「半壊」と診断された。7カ月がたち、「全部建て替えていて1月には新しい家ができる予定」というが、被災直後からずっと抱いている「1軍で投げている姿を見せて勇気づけたい」との思いはまだ実現できていない。
だが、背番号22には来季がある。「契約していただいただけでも、ありがたい。もう一度、輝いてやるぞという気持ち。オフは横須賀で頑張ります」