どうやら米大リーグ13勝の看板に偽りはなかったようだ。来日初マウンドの感想を聞かれ、「きょうは普通の一日」とさばさばと言ってのけた新外国人のモスコーソ。6回1失点(自責点0)が「普通」なら今後も期待が持てそうだ。
最速147キロの直球の制球が光った。三回はブランコが先頭石原のファウルフライを取り損なう失策から崩れ、3安打を浴びたものの最少失点で切り抜けた。
いずれも走者を置いて迎えた打率4割超と乗りに乗るエルドレッドからは、内角の直球で2度空振り三振を奪った。広島の中軸に1本のヒットも許さなかったのも好投の要因である。
右腕は「結果はついてこなかったが、いいボールを投げられて内容は良かった」と満足げ。黒羽根も「スライダーも良かったし、内外角にしっかり投げ分ける制球力もあった」と絶賛した。
雨で登板が流れて2週間ぶりのマウンド。しかもオープン戦は4回が最長だった。「5回100球をめどに(交代を)考えていたが、持ち球を駆使して最少失点でゲームをつくってくれた」と川村投手コーチ。首脳陣に残っていた不安も鮮やかに払拭した。
「先発陣は確実に充実している」。なかなか投打がかみ合わず、1点差負けはすでに3度目。それでも、新戦力の出現に中畑監督は手応えを得ているようだ。
【神奈川新聞】