東日本大震災で被災した福島県の少年野球チームの子どもたちが8日、横浜DeNAのキャンプ地を訪問。選手たちと交流したほか、中畑監督からはキャッチボールの指南を受けた。
沖縄県の事業の一環で、福島市と二本松市の小学生20人が招かれた。福島第1原発の事故以来、練習グラウンドは除染作業のため使用できなくなり、ようやく復旧したのは昨年11月。その間は保護者が空き地の雑草を刈り取って練習場所を確保し、苦心しながら野球に励んできた。
主将を務める安斎海人君は「何の不自由もなく練習できているのも、お父さんたちのおかげ」とにっこり。ひたむきに白球を追い掛ける姿に、福島県出身の中畑監督は「福島にしかない苦労もある。それをハンディと思わず強いチームになってほしい」とエールを送った。
熱血指導へのお返しとして、子どもたちは中畑監督に地元産の米約60キロをプレゼント。「福島のお米はふっくらしておいしいですよ」と安斎君が笑うと、中畑監督も「よし、これを食べて優勝しちゃうぜ!」と満面の笑みで返す。キャンプ地に優しい笑顔の花が咲いた。
(曇り、気温19度、観衆600人)
【神奈川新聞】