超重量打線のベイスターズにあって、伏兵柴田の打撃力が存在感を放っている。ここまで打率3割2分7厘、出塁率も4割を超える。昨季まで下位打線を打つことが多かったが、今シーズンは6番での起用も目立つ。「レギュラーを奪うのが大前提」と公言している今季、正遊撃手の大和と、自慢の守備だけでなくバットでもハイレベルな争いを繰り広げている。
ここまでの先発出場数を見ると、遊撃では大和が20試合とチームトップ。柴田は7試合にとどまるが、二塁での8試合を含めると、ほぼ半分の試合で先発を任されている。32歳の大和は首脳陣の方針で1カードに1試合程度休養しており、昨季守備固めでの出番が多かった柴田が首脳陣の信頼をつかんだ格好だ。
オースティンがけがで不在だった7月中旬はポイントゲッターとして6番に抜てきされた。
21日のヤクルト戦では初回に2点適時打、23日もまた初回にタイムリーを放つなど、ここまで6打点と勝負強さが光る。自己最多となった昨年の17打点を上回るペースに、ラミレス監督も「しっかりスイングできて球を見られている。今うちで一番安定して結果を出している」と評価する。
さらに出場機会を増やすには左腕の攻略が鍵となる。打率3割6分8厘の右腕に対し、2割1分4厘と分が悪い。データを重視する指揮官は「左投手からも打てると使い勝手がとても良くなる」と高いレベルを求める。
遊撃争いでは2017年に全試合フルイニング出場した倉本が打率3割3分3厘と、昨季の不振から抜け出しつつある。
シーズンはまだ4分の1を終えたばかり。「萎縮せずに自然体を貫きたい」と柴田。大砲ぞろいの中軸だけではない。柴田、大和、そして倉本らバイプレーヤーの安定した活躍があってこそ、“マシンガン打線”はよみがえる。