最も警戒すべき時の人、バレンティンに52号ソロを浴びた四回。大歓声が響く神宮でかすかながらも確かに横浜ファンの悲鳴を聞いた。
少し膨らんだかに見えたクライマックスシリーズ(CS)進出への夢がまたもしぼむ大敗。今季初の2試合連続無失点中だった流れを止めたのは、相手の主砲に一発をささげた吉川ではなく、先発した三嶋だった。
「これ以上ない、この流れを大事にしたい」。中畑監督のもくろみは初回に崩れ去った。
ルーキーは最速147キロをマークするも制球が定まらず、カウントを取りにいった球を痛打される。初回先頭の四球をきっかけに川端に3ランを許すと、さらに失策も絡んで1点を失った。
前回11日のヤクルト戦でもプロ入り最短の1回2/3で降板し、5四球2失点。5月からローテーションを守ってきた新人右腕は「(ストライクが入らないのは)精神的な問題。本当に情けない」と言葉を振り絞った。
シーズン終盤の疲れもあるだろう。それでも代わりがいない存在だけに一刻も早い立ち直りを祈るしかない。
これで自力でCSに進出できる可能性が消滅。2連勝で縮めた3位広島とのゲーム差も、再び4・5に広がった。「諦めずやればチャンスは来る。そう思ってやるしかない」と指揮官。もう少しだけでもいいからファンに夢を見せて欲しい。
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