30日に開幕戦を迎えるベイスターズは、オープン戦を8勝5敗2分けの4位という好成績で終えた。投手陣は今永、ウィーランド、浜口をけがで欠きながら若手が奮闘し、12球団中4位のチーム防御率3・33をマーク。攻撃では新戦力を中心とした「スモールベースボール」の深化もみられた。20年ぶりのリーグ優勝を目指す投打の陣容を検証する。
今永、ウィーランド、浜口の昨季2桁勝利トリオが開幕不在-。スタート前から緊急事態が続く投手陣は、序盤戦に我慢を強いられそうだ。
大黒柱となるのは、開幕投手の石田だ。2年連続の大役を控える左腕はオープン戦3試合で防御率5点台と打ち込まれたが、新たな配球を試すなどピッチングの幅を広げてきた。
飯塚が新球カットボールを生かし、3試合で防御率0・61と好投。石田に続く2番手に急浮上した。阪神2連戦のカード初戦(4月4日)に臨むとみられ、3戦連続無失点のドラフト1位、東(立命大)が同5日の2戦目に先発する見通しだ。
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長いシーズンを見据えた「保険」も早々に適用する方針だ。
右肘に故障歴のあるウィーランドの有事に備えて獲得したバリオスは3試合で防御率3・60。ソフトバンク時代に主に救援を務めた右腕は、先発の適性を示した。
ラミレス監督は2、3月の実戦で連日好投した高卒2年目の京山も「何かあった時のためのリストの上位に入れる」と評価。熊原の乱調も相まって、首脳陣は開幕ローテーションに抜てきすることを決めた。2軍での登板予定はなく、ヤクルト3連戦の3戦目(4月1日)の先発が濃厚だ。
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経験の少ない若手を登用することで、中継ぎの負担が増えることも予想される。指揮官は、昨年まで先発ローテーションを務めてきた井納を、勝ちパターンのリリーフに回す決断に出た。
先発に故障者が続出する中での配置転換はリスクをはらむ。だがエスコバー、三上ら主力救援陣の状態は上がらないまま。首脳陣の一人は「今の先発は未知数。昨年のエスコバーの位置(七回)に据えて、少しでも早く試合を落ち着かせたい」と狙いを明かした。
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井納-パットン-山崎の必勝リレーを確立できれば、ここ2年で120試合以上に登板している三上、田中健の負担も軽減できる。先発では思い通りの結果を残せなかった三嶋、国吉にも挽回の機会が訪れている。
幸い4月の日程には余裕がある。前述の首脳陣は「故障している3人がそろった時、上昇気流に乗れたらいい」と先を見据える。若手育成とドラフト戦略で培った地力を示す1年が始まる。