勝利の方程式の一角を狙う4年目の笠井が悪戦苦闘している。
この日ブルペンで投じた31球のうち、3割を取得中のツーシームに費やした。「なかなかうまくいかない」。右打者の膝元に落ちる軌道をイメージしながら、木塚投手コーチらから教わった数種類の握りを試した。
右打者の外角に逃げるカットボールが武器の右腕は、昨季16試合に登板した。今季はストライクゾーンを広く使って、その得意球をさらに生かそうと、対極の内角に沈む新球に挑戦している。
18日のヤクルト戦は2回を3安打無失点。テンポ良く、上々の今季初実戦となった。木塚コーチも「外角で勝負できる球はある。ツーシームで打者にスイングさせることができれば、(ブルペンから)外せないメンバーになる」と期待する。
同じく勝ちパターンの座を目指す斎藤は内角への直球、武藤はシュートが身上だ。同じ右腕のライバルが口数の少ない笠井のハートを熱くする。
「昨季は接戦の場面で投げさせてもらえなかった。首脳陣から信頼を得られるようになりたい」