
「どんな打球でもいいです。もう一丁」。全体練習後の誰もいなくなったグラウンドで、二塁のレギュラーを狙う2年目の伊藤裕が永池内野守備走塁コーチと向き合った。約30分間の特守。左右に打ち分けられるボールを追いながら、意識したのは足の裏の使い方だった。
13日の中日との練習試合に「7番・三塁」で先発も、2失策を犯して途中交代。ベンチ入りした特別コーチのオマー・ビスケル氏からは、捕球時に左足のつま先から着地し、前傾姿勢になるよう指導されており、この日も名手の教えを実践。「少年野球の頃から一度もそんなことを教えてもらえなかった」と初心に帰ってノックを受け続けた。
昨季は2打席連続アーチをかけるなど21試合で4本塁打。課題は守備だと自覚している。「代打ばかりでは何も満足できない。内野陣で自分は一番年下。新世代と呼ばれているからには、早く自分が引っ張れる存在になりたい」