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【ベイルーキー・飛躍期す10人の“星”】ドラフト3位・投手 阪口皓亮

ベイスターズ | 神奈川新聞 | 2018年1月22日(月) 11:55

ダイナミックな投球に将来性あふれる横浜DeNAのドラフト3位・阪口=横須賀市長浦町のベイスターズ総合グラウンド
ダイナミックな投球に将来性あふれる横浜DeNAのドラフト3位・阪口=横須賀市長浦町のベイスターズ総合グラウンド

急成長で夢の舞台に


 昨夏の甲子園初戦。1年前に一球も投げられなかった思い出の地で大化けしてみせた。「集大成を出すしかない」。背番号10ながら先発を任された北海(北海道)の阪口は、神戸国際大付(兵庫)を相手に初回から140キロ台中盤を連発。長身から投げ下ろす伸びのあるストレートが外角低めに決まり、自己最速の148キロをマークした。

 3回2/3を投げて8安打されたが1失点。「高校でベストピッチング」と言わしめた投球がプロの評価を一変させた。横浜DeNAの河原隆一スカウトは「ずっと球が高めに抜けていたのに甲子園は別人のように安定した。大舞台に強い。斎藤隆さんみたいな本格派に育ってほしい」と偉大なOBに重ね合わせる。

 直前の南北海道大会では27イニングで16失点。納得できない投球が続いた。わずか数週間での飛躍は偶然の産物という。甲子園入りしてから、投球時に三塁側へ向いていた左腕が本塁に向くようになっていた。誰にアドバイスされたわけではないが、フォームの安定につながった。本人は「今でもなぜか分からない」と笑うが、底知れぬ潜在能力が高校ラストゲームで目覚めたのだった。


 プロは遠い夢でしかなかった。高校2年夏にチームは全国準優勝したが、ベンチ外の阪口は全試合でボールボーイ。打撃投手も務めた。絶対的な先輩エースの背中を追い掛けながらも、理想と現実のギャップにぶち当たっていた。

 中学生のころから、つい最近まで教師になりたいと思っていた。「野球にずっと携わりたいし、給料が安定しているから」。現実主義の高校生はしかし、全国デビューを果たした2年秋の国体で確かな手応えをつかんだ。

 春夏8強の木更津総合(千葉)に二回から最後まで投げ抜き3失点。最速は138キロ。九回サヨナラ負けしたものの「強豪相手でも思った以上に投げられた」。そこから練習に貪欲になった。雪が降り積もる冬場も室内練習場で徹底的な走り込み。食事の回数も増やし、「吐く寸前まで食べた」。体重は一冬越えると10キロ以上増えていた。


 晴れてプロとなり、ことし1月に始まった新人合同自主トレーニングでは連日、先輩たちに食らいつくように走り込んでいる。塚原賢治トレーナーは「手足が長いのに上手に使いこなせている。ハートも強い」とうなずく。

 母京子さん(43)に女手一つで育ててもらった。「お金は管理してもらっている。自分で好きなものに使ってほしい」と優しい一面をのぞかせ、「155キロは出したい」とプロでの活躍を誓う。

 体づくりやスタミナ、変化球の精度など、まだまだ越えるべき壁は多いが、急成長を遂げてきた18歳は「高卒だからといってのんびりしていられない。早く2軍で結果を出す」。鋭い視線の先には、無限の可能性が広がっている。

さかぐち・こうすけ 投手。大阪市出身。北海道・北海高。ノーワインドアップから角度のある直球と大きく割れるカーブが魅力。3年夏には南北海道大会3連覇に貢献した。全国最多38度目となる夏の甲子園出場を果たし、粘投するも初戦敗退。186センチ、77キロ。右投げ左打ち。背番号12。18歳。

 
 

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