

8日開幕のクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージに出場する横浜DeNAは4日、横浜スタジアムで東芝と練習試合を行い、11-2で勝利した。巨人とのファーストステージ第3戦で先発が予想される今永が3安打1失点で予定通りの2イニングで降板。今永は「気持ちも体調も万全な状態にして、どんな打者にもベストボールを投げられるようにしたい」と意欲をのぞかせた。
好調な打線はロペスが先制の2ランを含む3安打をマークすれば、三回には戸柱がダメ押しの2ランを放つなど、14安打で11得点と圧倒した。5日の同スタジアムでの東芝との練習試合が最後の実戦となり、ラミレス監督は「全員がよくスイングできていた。ここまで先発もサブも打席にしっかり立てている。あとはサインプレーやバントなど細かいプレーの確認をして、CS初戦に準備をしたい」と語った。
▼練習試合(横浜スタジアム)
横浜DeNA
205 103 000-11
010 000 010-2
東芝
(特別ルール)
先制点 手段選ばず梶谷にバント

エース攻略へ手段は選ばない。ラミレス監督が短期決戦で動きそうだ。
初回だった。桑原が中前打で出塁すると、ラミレス監督は続く梶谷に犠打のサインを送った。梶谷は初球をファウルにしたが、2球目を転がして得点圏に走者を進める。いきなりの好機にロペスの先制2ランが飛び出し、指揮官は大きくうなずいた。「シーズンとCSは全く違う。どんな方法でも得点を取りにいく」。先制点の重みを理解するからこそ、シーズンでは極力させなかった梶谷にバントを命じた。
CSファーストステージ初戦ではリーグを代表するエース菅野とぶつかる想定。防御率2・01でタイトルを獲得した右腕とは今季5試合で1勝1敗、防御率4・05と相性は悪くないが、指揮官は「序盤に得点できるかどうか」と流れを重要視する。
梶谷のシーズンの犠打はわずか1。チームのバント成功率も7割1分2厘で12球団最下位と低迷したが、小技を駆使して重圧を掛けていく。
梶谷自身も役割を理解する。「一発で決められるように準備するだけ。バントは難しいし、苦手ですが、僕とクワ(桑原)でチャンスメークして、あとは後ろに任せる」
社会人相手の練習試合で計9打数6安打3打点と好調を維持するロペスも「シーズン中はなかったケースだが、梶谷は何かをしてくれる選手。自分はいつも通りにバッティングをするよ」と腕を鳴らした。
巨人との決戦は目前に迫る。梶谷は「頑張った結果が形になって、幸せだと思う。すぐに終わりたくない」と言えば、巨人時代の2014年以来の舞台となるロペスはチームの思いを代弁した。
「一人一人が自分の役割をこなして、第1ステージを突破して広島に行きたい」
今永、覚悟のぞかせ
巨人打線を想定したというルーキー今永は2回を3安打1失点。初回は最速146キロを計測するなど、3三振を奪う上々の立ち上がり=写真。しかし、先頭を歩かせた二回に2安打を浴びて1点を失った。降板までに50球を費やした左腕は「僕自身投げ切ってはいるけど打たれてしまった。純粋な反応だと思うし、もっとやらないといけない」と表情を険しくした。
ラミレス監督はCSファーストステージでの先発について「決めていません」とけむに巻いたが、今永は「普段は七回を目安にしているが一人一殺の気持ちでバッターに集中して、後ろを見ずにやっていきたい」。チームをCSに押し上げた23歳は覚悟をのぞかせた。

ベイ戦向け 若手が合流
巨人に若い力が加わった。8日から始まる横浜DeNAとのクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージに向けて東京ドームで行われている練習に4日、20歳の岡本と慶大出身のルーキー山本が合流し、はつらつとした動きを見せた。
岡本は今季、イースタンリーグで18本塁打を放ち、74打点で打点王となった。1日のファーム日本選手権でも最優秀選手を獲得。6月以来の1軍の雰囲気を「楽しい」と満喫し「前よりはレベルアップしている。強く振ることを意識している」と自信をにじませる。高橋監督は「今が旬なので」と期待を込めた。
山本は、クルーズがコンディション不良と怠慢な態度が問題視されて2軍で再調整となり、代役候補に挙げられた。二塁手で練習し「積極性、粘り強さを前面に出していきたい」と意気込む。