
先発陣だけでなく、リリーフ陣もサウスポーが盛り上げる。今季62試合に登板したベイスターズの中継ぎ左腕、砂田毅樹投手(22)は来季へ向けて「最低でも60試合は投げたい」と宣言。自らにハードルを課し、その先にある左腕の球団最多登板記録の71試合も見据えてフル回転を誓った。
もうスターターへの未練はない。一昨年は登板した14試合全てで先発し、昨年は中継ぎとの2役をこなした。これまでは「いつか先発ローテーションに入りたい」と機会をうかがっていたが、2年連続のクライマックスシリーズ(CS)進出に貢献した救援の役割にこだわり、台頭する覚悟を決めている。
秋田・明桜高から育成選手として入団し、実力ではい上がった。今季の登板62試合は自己最多。チーム内でもパットンと並んで2番目だが「来季は登板数を求めたい。ワンポイントもこなせれば数字を伸ばせる」と意欲をのぞかせた。
16日には横須賀市長浦町のベイスターズ総合グラウンドでジュピターテレコム主催の野球教室が行われ、講師役を務めた。教室で打撃投手などの裏方となって奔走したのは、今季限りで現役を引退し、球団の野球振興部のスタッフに転身した大原慎司さんだ。
大原さんがルーキーイヤーの2011年に記録した71試合の登板は左腕として球団最多。秋田の社会人チーム、TDKからプロ入りした先輩は「数字を抜いてくれたらうれしい。砂田は気持ちの切り替えも早いし、物おじもしない。リリーフ向き」と太鼓判を押す。
「大原さんがやっていたように『困ったら砂田』と思ってもらえるようになれば、70試合も現実的になる」。2年連続で60試合前後に登板した田中健、三上は昨季から防御率が悪化する壁にぶち当たったが、「調子の波をなくして勝ちパターンとして抑え続けたい」。さらなる高みへ登り、リリーフエースへの道を切り開く。