7番DHで起用された白崎が一発で、流れを変えてみせた。
五回。対するは駒大時代に東都リーグでしのぎを削った亜大出身の東浜。同学年のライバルが投じた3球目の変化球を強振し、打球はベイスターズファンで真っ青に染まった左翼席へ一直線。「手応えはすごくよかった」。待望のソロで試合を振り出しに戻した。
今季は打率1割8分5厘に低迷し、クライマックスシリーズでも唯一の打席で三振。この日が日本シリーズでも打席では初登場だっただけに「先発で起用してくれたチャンスを結果で返したい」という思いは強かった。そこまで力強い投球を続けていた先発今永は駒大の後輩。「今永が頑張って投げている」と左腕からの刺激も力に変えた。
この一発を含め、プロで放った14本塁打は全てソロという珍記録を持つが、最も価値ある一発が最高の舞台で飛び出した。ドラフト1位で入団して5年目。苦しんできた27歳が、大舞台でようやく花開いた。