かつては歌合戦やオークションも

ベイスターズのファン感謝イベント「ファンフェスティバル」が24日、横須賀スタジアムのある追浜公園などで開催される。
本拠地を横浜に移した1978年から地域に根差し、リーグ2位の今季はホームゲームで過去最多を大幅更新する228万3524人を動員した。年々高まるファンの熱気がペナント奪取を狙う選手たちの活躍を力強く後押ししている。
横浜の地元ファンとの交流の歴史は「横浜大洋ホエールズ」になった1978年から続く。同年のキャンプインを前にした1月、神奈川県民ホールで開かれた激励会「がんばれ! 横浜大洋ホエールズ」にはファン2500人が詰め掛け、別当薫監督やエース平松政次ら全65選手を熱烈に歓迎した。選手対抗の紅白歌合戦も行われ、入団5年目の田代富雄(現1軍打撃コーチ)は加山雄三の「ぼくの妹に」で美声を披露。選手が使用したバットやグローブがチャリティーオークションにかけられ、地元の野球少年らに瞬く間に競り落とされた。




日本一に輝いた98年に横浜スタジアムで開かれたファン感謝イベントは絶好の秋晴れの下、約2万5千人が集結。ファンは早朝から長蛇の列を作り、午前11時半の開門は30分繰り上げられた。38年ぶりの栄冠に輝いた選手たちはベースランニング形式のリレーなどに真剣な表情で取り組み、ファンもシーズン中に負けない声援を送った。選手会長の石井琢朗は「ファンの皆さんと一緒に戦ったことを誇りにしたい」と感謝し、進藤達哉(現編成部長)は「こういう応援があったからこそ優勝できた」と感慨に浸った。



横浜DeNAとなった2012年以降も趣向を凝らしたイベントでファンを喜ばせている。13、14年は筒香嘉智、多村仁志、後藤武敏ら横浜高出身者によるトークショーで盛り上げ、16年には現役引退したばかりの三浦大輔(現2軍監督)がシーズン中の裏話を披露して会場を沸かせた。17年には桑原将志らがお笑い芸人に仮装し、人気ゲームのキャラクターに扮(ふん)したカルロス・ポンセなど往年の名選手も登場した。
ことしは7月に完成したばかりの新2軍施設を利用したイベントも企画されており、これまで同様にファンを楽しませてくれそうだ。

