球団初のクライマックスシリーズ(CS)本拠地開催となった横浜スタジアムは、連日うねりのような大声援がベイスターズナインの背中を押した。右肩上がりの観客動員数は右翼にウイング席を新設した今季、過去最多を大幅更新する228万3524人を記録。ハマスタ全試合で満員御礼、12球団で唯一、前年比でふた桁の伸び率となる12・6%増という数字をたたき出した。
南場智子オーナーは今季を振り返り、「増席したので埋まらなかったらどうしようという気持ちはあった」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。2012年に球団を保有してからは中畑清、ラミレスと明るいキャラクターを指揮官に据え、地域に根差した事業展開も奏功、短期間で人気チームへ駆け上がった。岡村信悟球団社長は「横浜の真ん中でファンがつくり出す熱気、勝ちたいという思いがチームを導いてくれた」と感謝する。
こうなると、新規のファンだけでなく、低迷期を知る古くからのファンが求めるものはただ一つ、22年ぶりのリーグ制覇だ。
今季は観客増加やCS開催だけでも10億円近い増収になったとみられる。来季は横浜スタジアムの左翼側上段も増席されて最大3万5千席となり、営業収入はさらに伸びるはずだ。悲願成就へ現有戦力の底上げ、補強を含めたチーム強化は待ったなしの状況だ。
○ ○ ○