
期待の大型ルーキーがためていたフラストレーションを爆発させた。
2-3の五回無死一塁。伊藤裕がプロ初出場した前日に続き、再び代打で右打席へ。「チャンスで広げたり、つないでいこうと思った」。4球目の150キロをフルスイングすると、右中間を真っ二つ。念願のプロ初安打は二塁打となり、筒香の満塁弾をお膳立てした。六回には左中間へ2本目の二塁打を放った。
オープン戦では打率0割台と不振にあえぎ、開幕前に2軍落ち。低めの変化球に手が出てしまうのが課題だった。歩きながら素振りを最低100スイング続けた。「野球人生が終わるまで毎日やれることを続けていこうと。球の見え方が良くなってきた」。プロ初安打も初球の低めのカットボールを見切り、浮いた真っすぐを痛打した。
「ハマスタは全方向から声援があって楽しかった」と伊藤裕。ラミレス監督は「ボールが当たりさえすれば何が起こるか分からない。あした(10日)はスタメンで使う予定。初ホームランが出ればいい」と明言した。
「打てる右打ちの内野手で同じタイプ。自分にないものを持っている」と背番号4。左手を負傷して戦列を離れている宮崎に憧れる22歳が、バットで新風を吹かせる。