
好スタートを切った開幕からジェットコースターのように転げ落ちたベイスターズ。独断采配だった昨季からの「チェンジ」を旗印に掲げたラミレス監督だったが、連敗が続くと「日替わり起用」が目に付くようになってきた。中軸打者の不振の連鎖、先発の駒不足、経験豊富な中継ぎ陣の不在と悪循環が重なり、チームの打率、防御率はリーグワースト。4月下旬の10連敗で最下位に落ちたまま、シーズンの4分の1を終えて13勝24敗と好転の兆しはなかなか見えない。
「チームとして今大事なのは勢いだ」。5月10日、広島に乗り込んだ試合前にこう語ったラミレス監督。ただ、この3連戦、チーム内の士気をそぐような采配が続いた。
10日は伊藤光、11日は嶺井、12日は戸柱と連日先発マスクが代わり、指揮官は「伊藤光は左投手に結果は出ていないが今永と相性が良い。嶺井はジョンソンにいい結果を残している。戸柱はマツダでいい結果を残している」と説明した。
ただ、過去のデータをひもとけば、嶺井も戸柱も相性がいいと言えるほどではない。戸柱に至っては「相手の勢いを止めるため」と、乱調だった先発京山より早く二回でベンチに下げた。
10連敗中には山崎がピンチを背負った九回途中から伊藤光から嶺井に急きょスイッチ。5月6日は、今季初先発の東に対し、2年目の山本を初先発マスクに抜てきした。
20歳の若武者は緊張感と連敗阻止の重圧の中でプレーしたが、好結果は生まれず、チーム内ではこの決断に首をかしげる声が上がった。評論家の野村弘樹さんも「相手は2軍じゃない。山本は初スタメンだし酷だった」と指摘する。
救援にしわ寄せ

4年目のラミレス体制で最もしわ寄せを受けてきた救援陣の勤続疲労も、ここにきて顕著だ。