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筒香、野球界の未来思う 体罰・暴言改善へ知恵を

ベイスターズ | 神奈川新聞 | 2019年1月14日(月) 17:00

子どもたちに野球を指導する筒香
子どもたちに野球を指導する筒香

 ベイスターズの主砲はことしも野球界全体の発展へ強い使命感に駆られている。筒香嘉智外野手(27)が14日、自身が育った少年野球チーム「堺ビッグボーイズ」(大阪府堺市)の野球体験教室で講師を務め、小学生低学年までの約80人の子どもたちに野球の楽しさを伝えた。競技人口の減少やアマ球界にはびこる行き過ぎた勝利至上主義への危機感を強めており、現役トップ選手の立場から指導現場の問題点などに言及した。

 ちょうど1年前の体験教室でも、体罰、暴言を用いる旧態依然とした指導方法など、野球界が抱えるさまざまな問題点を指摘した筒香。この日も野球、そしてスポーツ界全体が抱える課題への率直な思いが口を突いた。

「スポーツ界全体が変わらないと」


子どもたちの前でスローイングの手本を見せる筒香 =大阪府堺市
子どもたちの前でスローイングの手本を見せる筒香 =大阪府堺市

 筒香 昨年はスポーツ界で良くないニュースが数多く取り沙汰された。アメリカンフットボールでは悪質タックルがあり、野球界では全国大会で優勝している少年チームの(指導者による)暴言、暴力の映像が出てきた。スポーツ界全体が変わらないといけない。

 先日ある少年野球チームを見学したが、指導者による暴言、罵声があった。どうしてこういう問題が起こるのか、みんなで掘り下げて考えていかないといけない。指導者の自己満足とか、言い方が悪いけれど、ストレスのはけ口としてやっているのかなと思う時もある。いきなり大きく変わるのは難しいけれど、みんなが協力して知恵を出し合って少しずつ変わっていくことが必要。

 スポーツは本来楽しむべきもの-。それが筒香の持論だ。今回の体験教室で再び子どもたちの笑顔に触れ、その思いを強くしたという。

 筒香 常に勝つことが優先され、厳しく、長い練習時間が大きな負担になっている。子どもたちは遊びに行ったり、勉強したりする時間もない。小中学生では大会の数がかなり増えてきていると聞く。ほとんどがトーナメント制で、勝ち進めば過密日程になる。(大人が)よかれと思ってやっていることでも、子どもたちが犠牲になっていることをもっと知るべきだ。

 行き着くのは前回も警鐘を鳴らした「勝利至上主義」。筒香は再び戒めの言葉を並べる。

 筒香 強いチームほど、子どもたちが肘や肩を壊すケースが多い。小さい頃に一度痛めた肘や肩は再度(痛みが)発症する確率が格段に上がると聞いた。もっと周りが子どもたちを守らないといけない。高野連は今後の構想として「野球の普及」を掲げている。野球の素晴らしさを教える活動をすることは大事だが、チームの(旧態依然とした)環境が変わらないと意味がない。

 甲子園ではかなりの数の選手がつぶれている。アメリカでは球数制限が導入されるなどしているが、(日本の)小中高校もルール変更をしていく必要がある。(横浜スタジアムの)ロッカールームで甲子園の映像が流れる時もあるが、外国人の選手たちが「こいつら、つぶれてしまうぞ」とよく言っている。「本当にクレイジー」とびっくりした反応をしている。ルールを変えて子どもたちの将来を守ってあげないといけない。

 
 

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