【コラム】新天地での第一歩踏み出す
ベイスターズ | 神奈川新聞 | 2010年1月5日(火) 00:22
まばゆい陽光が降り注ぐ蒼天(そうてん)が、清水の胸中を象徴していた。「入団したころの新鮮な気持ちでシーズンを迎えた。監督にいっぱい投げさせたいと思われるくらいに、結果を出したい」。34歳の右腕が、新天地での第一歩を踏み出した。
10年間慣れ親しんだロッテから交換トレードで横浜入り。先発ローテの一角として投手陣再建を託される。
例年になく、元日から4日続けてグラウンドで行った練習に決意がにじみ出る。「今年は貯金を最低でも八つつくりたい。そうすればチームはいい状態になるはず」。周囲の期待を真っ向から受け、早くも責任感を背負い込んだ。
昨季はわずか6勝(7敗)にとどまり、いら立ちを覚えることもあった。「原因を言いだしたらきりがない。防御率が1点台の月に勝てないこともあったので、かみ合えば」。痛めていた首は順調に回復したといい「元気な状態でマウンドに上がれれば結果を出せる」と自信をのぞかせた。
ベテランの領域に差し掛かり、意識が変わった。「長い野球人生」を考える上で地道な体づくりは欠かせない。下半身への負荷を確かめるように低い姿勢でゴロを捕球した清水は、「もう勢いだけではもたない。地味なトレーニングで体の奥の部分まで鍛えないと。試合は派手にいきたいから」。長年、エースと呼ばれてきた理由がある。
昨季は通算1000奪三振を達成。大学、社会人を経てプロ入りした選手では史上2人目の快挙だ。今季は1500イニングと100勝が目前。だが「投手陣を引っ張って強くすることが自分の役割」とチームの勝利を優先させる。あくまで歯車の一つと自覚し、浮上の原動力となるつもりだ。
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