コラム「フルマーク」/試される来季の実力
ベイスターズ | 神奈川新聞 | 2009年10月6日(火) 00:14
プロ初登板は雨でマウンドがぬかるむ悪条件。先発小杉は「マウンドに上がったら緊張しなかった」と頼もしいが、立ち上がりから球種にかかわらず指が縫い目に掛からず、カウントが整わない。
二回。先頭のマクレーンに内へ入った逆球を高々と左翼席に運ばれ、続く三回2死は栗原の”大好物”の高め直球を左翼席に持っていかれた。
JR東日本から入団したルーキー。周囲からは即戦力と期待されたが、シーズン早々に右肩を痛めて出遅れた。「同期や同級生が投げているのを見ていて、早く自分も1軍で投げたいと思っていた」。イースタン・リーグで結果を残しての昇格とは言い切れないが、その分、期待が込められているのも確か。
亜大時代に一度は野球をやめ、「アルバイトしたら遊んでの繰り返し」。でもあきらめきれずに「もう逃げない」と腹に決め、再びボールを握った。ちょっとやそっとの覚悟ではないはずだ。
六回2死満塁のピンチは安定しだしたカーブ、スライダーを組み合わせて脱した。6回5安打2失点。初登板にしては及第点の出来だった。
「けがをして不本意なシーズンだった。来年はけがなく1年間1軍にいて、チームの勝利に貢献したい」。背番号54は本当の実力を試される。
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