コラム「フルマーク」/新布陣に来季の期待
ベイスターズ | 神奈川新聞 | 2009年10月4日(日) 23:23

平均年齢24・8歳の若い布陣で打線が構成された。松本、山崎の新人コンビの先発は開幕2戦目以来。3年目の高森は6番一塁でプロ初スタメンを果たした。
初回1死。山崎が2球で追い込まれながら緩いカーブを中前へ落とすと、内川、村田の連打で先制し、吉村の16号2ランで3点目。その直後に高森が外のスライダーに鋭く反応してプロ初安打を右前へ放った。
若者の躍動ほど心高ぶるものはない。たとえそれが消化試合だとしてもだ。もっとも、必死になる彼らにそんな気持ちはみじんもないはずだ。
それぞれが複雑な胸中を抱えている。松本は開幕3戦目で先発から外され、長期に及ぶファーム暮らし。山崎も「自分に足りないものがある」と自認して落とされた。高森はキャンプで打力を買われながら開幕メンバー落ち。「尋常じゃないくらいに心の揺れがあったし、眠れない日々もあった」
六回の貴重な4点目は武山が投手を強襲する当たりに一塁へ頭から滑り込んでもぎ取ったもの。さらに七回の猛攻は松本の振り逃げから。全員が泥くさく大事に戦ってくれた。
夕日に染まる本拠地に歓喜のファンファーレがやまない。若い木々がその根を地中深くに張り、いつの日か必ず芽吹いてくれるものと信じている。
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