コラム「フルマーク」/投手戦 明暗分けた1球
ベイスターズ | 神奈川新聞 | 2009年9月28日(月) 16:07

三浦、石川の両エースが火花を散らした。そして、1球が明暗を分けた。
左右は異なれど、多彩な球種と緩急をつけてかわす技巧派。三浦は立ち上がりから絶妙な出し入れで的を絞らせず、五回までは3安打1失点。一方の石川も初回の1失点以降は、右打者には外へ沈み、左打者には手元に食い込むシンカーで徐々にリズムに乗りだす。
三浦の暗転はここから。六回、先頭打者を佐伯の痛い失策で出塁させると、カウントを取りにいった抜けたスライダーを青木に完ぺきに仕留められ、右中間へと運ばれた。
三浦は「打たれたから失投。相手とは何回も対戦している。球種も全部知られているし、読み合い。あそこは自分が踏ん張らないといけなかった」。自身最多タイの12勝に手を掛けていたが、石川より先にマウンドを降りた。
最下位は既に確定しているが、「そんなの関係ない。どんな状況でも強い気持ちでマウンドに上がっている。勝って順位が変わるわけではないが、勝ちたいと思うやつが球場に来るわけだし。負ければ悔しい」。
一発を浴びた直後、がっくりと肩を落とした。全力を尽くしたその姿を、誰も責められない。
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