コラム「フルマーク」/ムード緩み踏ん張れず
ベイスターズ | 神奈川新聞 | 2009年9月27日(日) 21:59
2点差の七回。先頭・谷の三塁ゴロをジョンソンが一塁へ悪送球して出塁させると、巨人は代走に鈴木を送り、早々と守備固めに入った。
三浦はそれまで3発を被弾しながらも闘志むき出しで抑えにかかっていた。走っても三回、一塁から三塁までヘルメットが吹き飛ぶほどの全力疾走。気持ちが伝わってきた。
七回の3失点はジョンソンの失策に続き、二盗阻止を狙った細山田の送球が大きくそれたのが引き金。弱いチームの典型的な崩れ方なのも、気分をより暗くさせる。
打線は主に直球、スライダーと球種の少ないゴンザレスを攻略できない。不調の吉村は、追い込まれた場面での打率1割台という数字通りに凡退を繰り返し、主軸でわずか3安打。ベストメンバーが組めない窮状とはいえ、この中に来季のスタメンを保障されている者がどれだけいるのか。チーム内競争さえ欠いたらもう終わりだ。
2005年8月以来の巨人戦白星はまたもお預けとなった三浦は「なかなか結果を出せない自分に悔しい。失策絡み? それは関係ない。踏ん張り切れずに追加点をやってしまった」と潔く現実を受け止める。
現場の弛緩(しかん)した空気に覇気のなさ。エースの口にする敗戦の弁が、虚空に吸い込まれた。
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