コラム「フルマーク」/失敗は次への糧
ベイスターズ | 神奈川新聞 | 2009年9月27日(日) 19:49

1点を追う三回。1死一塁で打席には山崎。カウント2-2と追い込まれた。そこで田代監督代行の策はヒットエンドラン。だが無情にもバットは空を切り、三振併殺で反撃の芽をつぶした。
対照的だったのが、中日の攻撃。初回、無死一塁から荒木が安打にはならなかったとはいえバスターエンドランで進塁打を放ち、続く森野の中前適時打で先制点を挙げた。三回無死一塁は、一走がスタートを切り森野が右前に運んで一、三塁と好機を広げ、再び得点に結び付けた。
もろ刃の剣ともいえるヒットエンドラン。成功すれば大量点が見込めるが、失敗すれば一気に好機を失うだけではなく、相手を乗せてしまう。最低でもバットに当てるのが基本だが、山崎は「三振だけはしてはいけないという頭はあった。でも、これまでヒットを狙ってしっかり振った方がいい結果になっているから」と、高めの直球を振り抜いた。
振るのはいい。ただ状況に応じた打撃をしなければ、打線として機能しない。荒木はしっかり上からたたいていた。杉村打撃コーチは「若い選手はああいうプレーをきっちりしてチャンスをつかまないと。練習不足」と苦言を呈す。失敗は次への糧。無駄にしないでほしい。
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