コラム「フルマーク」/疑問残る積極起用
ベイスターズ | 神奈川新聞 | 2009年9月27日(日) 16:31

6投手をつぎ込む総力戦。どちらがクライマックス・シリーズ進出を懸けているのか錯覚するほど積極采配(さいはい)だった。
四回。吉村の適時二塁打で同点に追い付き、なお2死三塁。ここで田代代行は先発吉川に代えて代打に下園を送り、「(阪神)岩田の立ち上がりが良く見えて1、2点取るのがやっとだと思った。もう少し投げさせたかったが、あそこで追い越さなければいけないと思った」。結果、金城の適時二塁打で勝ち越しに成功したが、ちょっと待ってほしい。
先発の駒不足は言うまでもない。その候補者を一人でも増やすには、できるだけ長いイニングを投げさせ、評価のはかりに掛けるしか手はない。
吉川は三回に4安打2失点と荒れかけたが、続く四回は3人で締め、「さあ、仕切り直し」という際だった。吉川は勝利投手の権利を与えられず、ベンチで顔をゆがませた。
この日はファームから新人松本を昇格させ、3年目の北も練習参加。湘南のコーチ陣も集い、意見交換をしていた。有望な若手を残り少ない試合数で試すというのは、共通認識のはずだが-。
目先の1勝と育成は背反しかねない。ただ、その線引きを明確にしなければ来季に響く。1試合も無駄にはできない。
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