
救援した11試合で失点はわずか1。チームでただ一人、防御率は0点台だ。プロ4年目の今季、中継ぎでフル回転する砂田毅樹。リーグトップタイの8ホールドと勝利の方程式を担う左腕は、ラミレス監督の信頼に応えようと必死に腕を振っている。
開幕1軍入りは正直、厳しいと思っていた。
3月20日のイースタン・リーグ楽天戦(横須賀)で3回2/3を5失点。25日の同ヤクルト戦(戸田)でも2回を5失点と大炎上した。先発、中継ぎのどちらでも対応できると首脳陣に期待されていた21歳は、結果を全く残せなかった。
それでも、開幕前夜の神宮球場には背番号47の姿があった。投内連係の確認をしている最中に、指揮官が歩み寄ってきた。
「ファームの結果は関係ない。俺は信頼しているから」。にこやかな笑顔で背中を押してくれた。「開幕までうまくいかなかったけど、ここからだ」。指揮官の思いを受け止め、腹をくくった。
長打力のない打者には140キロ台の直球で大胆に攻める。同じ腕の振りからのスライダーも効果的。「いい意味で余裕を持てている」。昨季終盤にリリーフでつかんだ自信もまた安定した投球につながっている。
昨シーズン60試合以上に登板の田中健や須田の調子が上がらず、今月16日からは三上と並んで八回を任されることが決まった。
「初めて必勝リレーに名前を入れてもらって、すごくうれしいし、気持ちが引き締まった。中継ぎをやる上では目指してきたポジション。1年間を通して抑えられる、信頼される投球がしたい」。
全力投球を続けるサウスポーは、何よりもチームに勝利をもたらすことを使命としている。
○○○
1998年以来のペナント奪還を誓うベイスターズ。試合翌日の紙面だけでは伝えきれなかったナインの素顔やチームの舞台裏を紹介する。 =随時掲載