延長十回。藤江が好投した先発加賀美の後を継いでマウンドに。しかし、代打・矢野への初球が真ん中に入ってサヨナラ弾を浴び、あっけない幕切れとなった。この瞬間、セ・リーグ史上初となる東京ドームでの年間未勝利(9敗1分け)が決まった。
友利投手コーチは藤江に「代打は一発しか狙ってない。入りに気を付けろ」とアドバイスしたというが、試合後は「言ったことができない」といらだちを隠し切れない様子。藤江は「ああいう場面で自分のボールを投げられないと…。加賀美が頑張ってたのに」と肩を落とした。
結果的には接戦となったが、未熟なプレーが目立った。加賀美が失った点は、暴投によるもので、失点にはつながらなかったものの失策は二つ。中畑監督は「プロのレベルで対等に戦っていたなら仕方ないけど…」と悔しさをにじませた。
新生球団となった今季。若手育成にも力を注ぎ、新たな一歩を踏み出したが、厳しい結果を突き付けられた。指揮官が「この負けを忘れないこと。(巨人との)来季の1戦目は気持ちを高ぶらせて臨みたい」と雪辱を誓ったように、この屈辱をチーム変革の糧に変えて取り組んでほしい。
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