

=横浜
【フルマーク】長打力求めて進化
大歓声とともにバックスクリーン右に吸い込まれた。二回2死、倉本が低めの変化球を振り抜き、オープン戦1号のソロアーチ。「いい角度で上がっていった。あそこまでしっかり捉えたことはなかった」という手応え抜群の一撃は、まさに求めてきた打球だった。
2年目の昨季は打率2割9分4厘をマーク。遊撃のポジションを完全に自分のものにしたが、わずか1本塁打には到底満足はできなかった。「今季は違う姿を見せたい。長打があれば相手はさらに警戒してくる」。肉体と打撃フォーム改造に加えて、バット改良にも時間を割いてきた。
オフには岐阜にあるミズノの工場を訪れ、職人と相談しながら、飛距離が出るよう重心を先にずらした新たなバットを製作。しかし、春季キャンプで試すうちに「違和感があった」と、思い切ってすべて手放した。
今月初め、チームメートの井納が坂本(巨人)から譲り受けたというバットを試すと、感じるものがあった。長さは従来よりも約1・3センチ長く、約10グラム近くも重い。「長くて重いけど、坂本さんの打球がどうして飛ぶのか分かる。振った感覚がいい」。より高みを目指し、自身の直感を信じた。
オープン戦10安打目での初長打を、ラミレス監督も「パワーもしっかり伝わって、強い打球が飛ぶようになっている。とってもいい変化だね」と歓迎する。背番号5は「一歩前に進んでいる」とアベレージヒッターからの進化を遂げようとしている。
ラミちゃん☆ゲッツ
「三嶋は2回で6点を失った。ちょっと期待を裏切った。一方、打線はよく打ってくれた。点を取られても取り返す、勝ちたい気持ちを出してくれた」
三嶋が再び2軍へ
ローテーション入りを懸け先発した三嶋だが、4回8安打7失点と期待を裏切り、再び2軍落ちとなった。
初回2死一、二塁から中堅フェンス直撃の2点打に続き、2ランを許すと、「気持ちは入っていたが、勝負ができなかった」とその後も痛打される投球が続いた。
昨季1勝に終わった5年目右腕。キャンプ中にも2軍調整を言い渡され、ようやくつかんだチャンスをふいにした。それでも「2軍ではいい練習ができていたし、またやり直すしかない」と前を向いた。 (横浜)
白崎、3本目アピール
三塁の定位置奪取へアピールする白崎が、オープン戦チーム最多となる3本目のアーチをかけた。
四回にロペスの2ランに続き、低めのスライダーをすくい上げ左翼席へ運んだ。打撃フォーム修正が結果に結びつき、「しっかり捉えれば強い打球が飛ぶ手応えがある」と納得の表情だ。
ライバルのシリアコも高打率を残しており、日々競争だ。白崎は2年連続の開幕スタメンに向け「オープン戦ではなく、シーズンでの結果がすべて」と気を引き締めた。

選手ひと言
パットン(2戦連続での中継ぎ登板も無失点に抑え) 横浜のマウンドにも対応できている。状態はすごく良く、いつシーズンが始まってもいい。
山崎康(九回に登板し3人をぴしゃり) 良いときのイメージがどんどんできている状態。指もすごくいいバランスでボールにかかっていた。