圧巻は四回2死走者なしの場面。先発・国吉は日本ハム4番中田に対し、それまで140キロ台前半だった直球を150キロにまで上げてファウルで追い込むと、最後はキレのあるフォークで空振り三振に。国吉は3割超のチーム打率を誇る日本ハム打線を6回無失点に抑え込んだ。オープン戦3試合計15回を投げ、いまだ点を失っていない。
友利投手コーチから「中田を三振に取ってこい」と命じられ、四回にそのチャンスが訪れた。国吉は「3点差だったから勝負したいなと思って力を入れた」と振り返り、渾身(こんしん)の投球で期待に応えた。
10日の西武戦では制球にばらつきがあり球威で相手打線をねじ伏せたが、この日は制球も光った。先頭打者を4度出塁させ課題は残ったが、友利投手コーチは「スポンジ状態だからどんどん成長している。投手陣は横一線だけど、国吉は少し突出しはじめた」と高く評価。開幕投手への注目が高まる中、中畑監督は30日の開幕戦か4月3日の本拠地開幕戦で国吉を先発させる可能性も口にした。
春季キャンプ中は「開幕を狙うくらいの気持ちでやらないと先発ローテには入れない」と話していた国吉だが、試合後は「できれば開幕戦で投げたい」と意欲を燃やしていた。
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