4月3日に横浜スタジアム(中区)で行われるプロ野球・横浜DeNAベイスターズ本拠地開幕戦の、前売り券の売れ行きが好調だ。平日のナイターながら、すでに残り枚数は「千枚程度」(球団広報部)といい、完売すれば、2007年の巨人との開幕戦以来の“快挙”となる。
「最初の3戦が第一の勝負」。新生ベイを印象付けるため、球団は「開幕カードを満員に」を合言葉に、あの手この手で観客動員作戦を展開してきた。
昨年12月に新球団となって以降、月に1度は販売戦略会議を開き、本拠地開幕に向けてさまざまな企画を練ってきた。
佐々木主浩さんら球団の歴史を彩るOBが試合前に直接対決をする「夢のレジェンド三番勝負」と題した催しや、OBとの記念撮影を行える特別券などを考案。12球団で初というネット販売割引も導入した。担当部署だけでなく、広報や総務部も巻き込んだ横断的な手法は、前体制ではなかったものだ。
資金も惜しみなく投じた。池田球団社長は就任当初、「横浜スタジアムで試合をやっている感じがあまりない」と指摘していたが、横浜市内のバス停に開幕カード開催に絞ったポスターを掲出。広報部スタッフは「金額は言えないけど、使うところは使うという方針に基づいた」と説明。PRに力を入れた。
広報活動にも戦略性を持たせた。全職員に広報前の情報を口外しないよう強く注意し、発表のインパクトを強めるとともに、数日おきに新たな企画を発表。こちらも前体制と異なる点で、球団幹部は「興味を持続してもらうため、情報が漏れて一度に報道されるのは避けたかった」と話す。
春田球団オーナーが、昨年の約1・4倍となる「年間観客動員150万人」を目標に掲げる中、中畑清新監督の話題性もあり、本拠地開幕カードの「スタートダッシュ」は上々。チケット営業部長は「いろいろ企画を打ったけど、ふたを開けてみないとという不安はあった。正直ハードルは高いけど、目標を達成したい」と、3万人で満員となった横浜スタジアムを思い描いている。
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