教えて IT野球
DeNA今永の直球 小杉コーチ「回転数が全てではない」
ベイスターズ | 神奈川新聞 | 2023年5月10日(水) 18:01
データやテクノロジーによる野球の変化を知る「教えて IT野球」。ベイスターズを中心に、当事者の言葉からその実態に迫る。

データやテクノロジーが野球を根本から変えつつある-。プロ野球を担当していると耳にする言葉だが、その実態を理解できている自信はない。野球の進化に、取材する側も少しでも追いつけないものか。ITがもたらす変革に迫るため、横浜DeNAのファーム投手コーチで、データ活用に詳しい小杉陽太氏(37)に聞いた。
日本代表の優勝に沸いたワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で、注目されたデータがある。横浜DeNAのエース今永昇太の、直球の回転数だ。米大リーグでもトップ級とされる数値を記録した。
そもそもボールの回転数が多いと、どのような利点があるのか。小杉氏によれば、「回転数が上がれば、落ちにくいボールにはなる」という。いわゆる捕手のミットに届くまでに、“おじぎ”しにくい伸びやかな直球になるというわけだ。
ただし、「回転数が全てではない」とも小杉氏は強調する。「回転数が多いに越したことはないが、そこには回転の軸や回転の効率があり、どのゾーンに投げているかが重要で、そうした要素も含めて今永の直球は空振りが取りやすいボールになっている」。そして、ある意味では分かりやすい数字だからこそ、「回転数が全てではないと選手に伝えている」という。
小杉氏にとってバウアーは
DeNA今永の直球 小杉コーチ「回転数が全てではない」
データを活用した選手指導を進めている小杉投手コーチ=昨年11月、横須賀市(中西 悠写す) [写真番号:1157799]
練習中、今永(右)と話すDeNA・バウアー=横浜(共同) [写真番号:1157800]