これがハマのエースだ。六回。日本の3番手・今永が逆転に燃えるイタリア打線を完璧に封じ込めた。
先頭打者をストレートで遊ゴロに仕留めると、次打者はスライダーで空振り三振。最後はフルカウントから自己最速タイの154キロで2者連続の空振り三振。付け入る隙を与えない快投でチーム最年長のダルビッシュ(パドレス)にバトンを託した。
自主トレーニングの時から想定してきたのは、このようなWBCの緊迫した場面だった。試合展開が目まぐるしく変わる中で肩をつくる中継ぎの難しさも、「これも野球」と割り切れる。その強いメンタルこそ国際大会で好結果を出し続けられる証左だ。
オフに都内でトレーニング中、偶然にも尊敬するイチローさんに出会う機会に恵まれた。大会に臨む心構えについてアドバイスを求め、「不安を自信に変えてやれ」と言われたという。
大会に入ってから、今永はかみしめるように言った。「いろんなものを背負いながら野球をやるってことは、この先の人生でも少なくなってくる」。レジェンドの金言を胸に、米国で世界一を取りに行こう。(松村 祐介)
DeNA今永 最速154キロで連続三振、ダルにつなぐ
【日本―イタリア】6回を三者凡退に打ち取りベンチに戻る今永=東京ドーム(花輪 久写す) [写真番号:1146756]