横浜DeNA2-1巨人
エースの意地と誇りを見た。9連戦の初戦を託されたDeNA今永の力投は、何としても優勝戦線に踏みとどまろうとする意思を体現するかのようだった。
「調子が良いとは言えなかった」と振り返ったように、細かな制球を欠いた。それでも尊敬してやまない巨人のエース菅野とがっぷり四つに投げ合った。
三回まではお互いに走者を出す展開。四回に菅野が初めて三者凡退とすれば、負けじと3人で仕留めた。「試合をつくれて良かった」と今永。7回を投げ、与えたのは吉川に浴びたソロ本塁打の1点のみだった。
このゲームの持つ重みは、誰よりも分かっていたはず。それでも3連敗後というチーム状況は意識の外に置いていた。「そういうことを考えて試合に臨むと、これまでの経験上では良かった試しが一度もない。考え過ぎず、ただ試合に没頭すればいい」。邪念を捨てて投げきった108球だった。(中西 悠)