
昨季限りで横浜DeNAから戦力外通告を受けた倉本寿彦内野手(32)が古巣となる社会人野球の日本新薬に復帰することが10日、分かった。2014年シーズン以来、9年ぶりにアマチュア球界に身を投じる倉本は「決断に至るまでは引退も含めて色々と考えたが、可能性がある限り、NPB(日本野球機構)に戻るという目標を変えずにもう一回勝負したい」と不退転の決意を語った。
倉本はシーズン終了後、球団に今季の構想から外れたことを伝えられた。昨年11月の12球団トライアウトには参加せず、現役にこだわって他球団からのオファーを待っていた。春季キャンプが始まった2月も平塚市内で自主トレを続けていたが声はかからなかった。
シーズン途中でもNPB入りが可能な独立リーグ行きも検討したが、熱烈なオファーをくれた日本新薬で戦うことを決めたという。「チームも若返っているし、重圧もあるけど、現状に満足したくない。勝負をしながら自分の経験も還元できる」。再びプロ野球界に戻るためには2年間が必要とされ、年齢的にも厳しい道となるが新たなチャレンジを選択した。
茅ケ崎市出身の倉本は横浜高から創価大、日本新薬を経て、2015年にドラフト3位で入団。17年には全143試合にフルイニング出場を果たし、日本シリーズ出場にも貢献した。8年目の昨季は主に守備固めを中心に44試合で、打率1割7分3厘、2打点。通算成績は667試合で打率2割5分5厘、8本塁打、149打点。
夢の続き見るために
「夢のような時間が終わっただけなんですよ」
2月下旬、平塚市内で自主トレーニングを続けていた倉本を訪ねると、ベイスターズに在籍した8年間をそう振り返った。球団史上初のクライマックスシリーズ(CS)進出、入団3年目での日本シリーズ出場、毎年のようなレギュラー争いや不本意な2軍暮らしなど、栄光と挫折を味わってきたが、その胸にはやはり地元の球団でプレーできた喜びが刻まれている。
元DeNA倉本 現役続行、社会人野球・日本新薬に復帰へ
NPB復帰を視野に社会人野球の日本新薬で現役を続ける倉本=2017年11月の日本シリーズ [写真番号:1145576]
ファンサービスにも積極的だった倉本=2016年8月、神宮 [写真番号:1145634]
ファンサービスにも積極的だった倉本(右)=2016年8月、神宮 [写真番号:1145633]