
野球を楽しむ子どもたちを故障から守り、競技人口の減少に歯止めをかけようと、指導者らを対象にした「神奈川学童野球指導者セミナー」(神奈川新聞社後援)がこのほど、横浜市南区の南公会堂で開かれた。特別講演として、桐蔭学園高から慶大、プロ野球・巨人でプレーした巨人前監督の高橋由伸氏(47)が登壇した。
「野球肘検診の必要性」や「医療現場から見た学童野球」をテーマに、スポーツ整形外科の山崎哲也医師(横浜南共済病院)をはじめとする専門家が、肘のけがの原因や予防法を説明。指導者や医療関係者、保護者ら約350人が熱心に耳を傾けた。山崎医師は「痛みのない野球肘で、気付かないうちに進行している子が毎年いる。指導者も子どもの体を理解することが必要」と呼びかけた。
セミナーは3年ぶりに開催され4度目。立ち上げた慶応高前監督の上田誠さん(65)は「子どもたちの野球は実は大変なことだと理解し、自分たちのチームに持ち帰って広めてほしい」と話した。
球児・プロ選手・監督 野球人生で見えたこと
スター街道を歩み、現役引退後は巨人で監督も務めた高橋氏。壇上で説いたのは、長期的な目標設定と柔軟に選手と向き合う指導論だ。
巨人前監督・高橋由伸氏が特別講演 体の理解の必要性訴え
自身の野球人生を振り返る高橋氏=横浜市南区 [写真番号:1136844]
高校1年夏の甲子園で猛打賞をマークするなど大車輪の活躍を見せた=1991年8月、甲子園 [写真番号:1136846]