11月下旬の午前中。瀬谷養護学校分教室の高等部3年生15人が、ウキウキとした様子で境川沿いの土手を歩いている。日ごろは県立大和東高校内の教室で学んでいるが、久しぶりに徒歩15分ほど離れた本校へ出向き、1年から継続してきた「食に関する授業」を受ける日なのだ。
普段はお弁当だが、本校では給食が食べられる。しかもそれは、これまで学んできた成果として各自が考えて提案した献立から採用されるのだ。
最初に、今日の給食献立が発表された。採用の決め手は「栄養バランスの良さ」であるため提案した生徒が誇らしげに立ち上がると、仲間から大きな称賛の拍手がわきおこった。
授業に入ると、まずは食品を三つのはたらき((赤)体をつくる/(黄)エネルギーのもと/(緑)体の調子を整える)にグループ分けする学習だ。大きなフェルトの表に、各自に配られた食品の絵カードを「豚肉は赤」「ニンジンは緑色です」と発表しながら貼っていく。自信のない生徒には、仲間がアドバイスするなど、助け合いながら進められた。
授業後半は、夕食の献立を考える学習に取り組む。食品のはたらき、栄養バランスなど、これまでに学習した内容を基に、食材を想像しながら真剣に献立を考えている。担任や栄養教諭にも質問して、ようやく自信作の献立が完成した。
授業が終わると、いよいよ給食の時間。ごはん、れんこんハンバーグ、牛乳、わかめサラダ、コーン卵スープだ。自分たちで考えた給食に、「やったー」と生徒の歓声。
「いただきます」
おいしさのあまり、おしゃべりも忘れて黙々と食べている。 食べ終わると、
「おいしかった」「体が温まった」と声が上がる。早速、栄養素のはたらきを体で実感した。
「次は、自分で考えた夕食の献立を、調理実習で作って食べたいな」
生徒たちの期待は膨らむ。
さまざまな教室から、県教育委員会の指導主事や先生らで構成する「学び見守り隊」がリポート
神奈川県教育委員会では、他にも各校の取り組みを「元気な学校づくり通信『はにい』」で紹介。
http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f420082/