◆「僕の朝顔見せてください」「はーい」
7月17日、県立こども医療センター病棟内にある県立横浜南養護学校の学習室。病室から点滴を付けて登校してきた小学部2組の児童5人で、学習室はぎゅうぎゅう。
「おはよう!」
1組と2組の児童がお互いにタブレット端末のカメラに向かって笑顔で手を振り、あいさつを交わす。二つの組はテレビ学習システムでつながり、リアルタイムでやりとりしている。合同の生活科の授業が始まる。
「1組にある朝顔の1学期最後の観察をしましょう」
1組は病棟外の教室で、2組は病棟内の学習室で授業を受けている。2組は学習環境や教材などで医療上の制限があり、土に触れたり、容易に病棟外に出たりすることができない。
そこで、1組が2組の代わりに病棟外の教室で朝顔に水をあげている。
2組「いつもお水をあげてくれてありがとう。僕の朝顔を見せてください」
1組「はーい。これがAくんの朝顔だよ」
2組の児童が画面をじっと見つめる。つるが柱に巻き付いて、前回よりも伸びているのが分かる。
1組「映ってる? こんなに高い所まできました。きっと、夏休み中に花が咲くと思います」
2組「何色かなあ。わたしは、黄色とピンクの花がいい」とBさん。
1組「さて、次の朝顔は、地元の学校で種をまいていたから、なんともう枯れています!」
この朝顔は、入院前に通っていた小学校で育ててこちらに持ってきたものだ。
2組の児童は、咲き終わって枯れ始めた朝顔をじっと見つめる。ウェブカメラが、咲き終わった花の付け根をアップで映し出す。
1組「まだ青いけど、茶色になったらここに種ができます」
種が取れるのが楽しみだ。
2組「これからもお世話をよろしくお願いします」
1組「ぼくは夏休みに退院しちゃうかも…」
お世話をしていた男の子がつぶやくと、仲間が約束をした。
1組「そうしたら他の子に代わってもらって、しっかりお水をあげるからね」
朝顔の観察リレーは続く。
さまざまな教室から、県教育委員会の指導主事や先生らで構成する「学び見守り隊」がリポート
神奈川県教育委員会では、他にも各校の取り組みを「元気な学校づくり通信『はにい』」で紹介。
http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f420082/