思い込めた「声」届け
校内放送でDJ、テーマ決め台本作りも

午後0時25分。軽快なディスクジョッキー(DJ)の声が校内に響く。
「皆さん、こんにちは。おいしい給食、食べていますか?」
約20分の生放送「FMよこラジ」が始まった。マイクの前に座るのは、県立横浜ひなたやま支援学校高等部3年生「チャレンジ・ラジオグループ」の生徒たちだ。
生徒たちは、総合的な学習の時間の中で、自分たちでテーマを決めて、放送の台本を作っていく。
当初は話し合いの進め方に戸惑っていたが、「好きなアニメの話をしたい」「季節にあった曲をかけよう」「後輩をゲストに呼ぼう」「それいいね!賛成!」などと共通する趣味の話題から、積極的に放送内容を相談するようになった。
「電話で打ち合わせをしておいたから、すぐに練習できます」「家で台本を書いてきたので読んでください」

活動への意欲が生徒たちの主体性を育んでいる。放送を聞いた他の生徒たちが「私たちも、クラスの仲間と放送をさせてください!」と、自作の原稿を用意するなど、生徒間のつながり作りや自己表現の機会にもなっている。
生放送直前まで、台本の読み合わせや準備に余念がない。
「合言葉のタイミングをそろえよう」「先生、セリフが終わったら、間を空けず曲を流してください」
お願いするその表情は、程よい緊張感と自信に満ちている。
「それでは、またお会いしましょう。またねー!」
マイクのスイッチを切ると、DJは小さく息を吐いて、満足そうに頰を緩めた。「チャレンジ・ラジオグループ」の伝えたい思いを込めた放送は、給食の時間に彩りを添え、今日も生徒たちに届けられる。
さまざまな教室から、県教育委員会の指導主事や先生らで構成する「学び見守り隊」がリポート
神奈川県教育委員会では、他にも各校の取り組みを「元気な学校づくり通信『はにい』」で紹介。
http://www.pref.kanagawa.jp/docs/v3p/seitosidou/hanii.html