「感謝」って何だろう
身近で支えてくれる人に思いを巡らせる
「みんながお世話になっている人には、どんな人たちがいるかな?」
「先生!」「友だち!」「うちの近くのお店の店員さんにも、お世話になっているよ!」。教室のあちらこちらから、元気な子どもたちの答えが飛び交う。小学3年生の道徳の授業が始まった。
子どもたちは、教科書を開き、先生の声に耳を傾ける。
見守り隊のおじいさんの話。小学生の子どもたちが学校から帰る時、毎日、門の所で「おかえり、元気で、また明日」と声を掛けてくれる。主人公の女の子は、なぜか元気が出るその言葉を「おじいさんのおまじない」と呼んでいる。女の子が、そんなおじいさんのために「今日は、わたしがおまじないをおじいさんに言ってあげよう」と決意する場面で話は終わる。
「みんなだったら、このおじいさんに、どんな言葉を掛けるかな?」。おじいさんになりきった先生が、子どもたちに問い掛ける。子どもたち一人一人が考えた「おまじない」について伝え合う。
「いつもありがとう」「お礼の言葉を言いたい」「応援しているよ」「明日もまた門の前にいてね」「感謝の気持ちを伝えたい」と子どもたち。教室が、すてきな「おまじない」の言葉で満たされていく。
ふと、先生が「『感謝』って、何だろうね」と問い掛ける。「分かる」「分からない」。子どもたちの答えが分かれた。「感謝」と言葉にするのは簡単だが、意味を説明したり、どうやってその気持ちを伝えるのかを考えたりすることは難しい。
「最初にみんなが教えてくれた、身近で自分たちを支えてくれている人のことを考えてごらん」と先生。子どもたちは、それぞれが頭に描く大切な人たちに思いを巡らせながら、「感謝」について考えていた。
さまざまな教室から、県教育委員会の指導主事や先生らで構成する「学び見守り隊」がリポート
神奈川県教育委員会では、他にも各校の取り組みを「元気な学校づくり通信『はにい』」で紹介。
http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f420082/