教室に行こう
県立小田原養護学校大井分教室(大井町)
教育 | 神奈川新聞 | 2018年11月27日(火) 12:30
地域の支えで米作り 力合わせ収穫
「お米がこぼれ落ちそう!」
県立大井高校内にある小田原養護学校大井分教室に通う高等部の生徒44人は、作業学習で米作りに取り組んでいる。10月初旬、みんなで力を合わせ米の収穫を行った。
「たくさん、とれたね!」「お米がこぼれ落ちそう!」
たわわに実った黄金色の稲穂を見て、思わず生徒たちの顔がほころぶ。
「頑張って育ててきたかいがあったね!」と、教師も一緒にほほ笑む。
7年前に大井分教室が開設されて以来、生徒たちは職業体験として、特定非営利活動法人(NPO法人)ワーカーズコープ小田原・足柄地域福祉事業所(報徳ワーカーズ)の協力のもと、農作業に取り組んできた。米作りは、今年で3年目。年を重ねるごとに、田植えから栽培管理、収穫、販売と、作業内容が本格的になり、系統的に米作りを学んでいる。
「力を入れてもなかなか切れないなぁ」
「疲れた~」
稲刈りの後半、腰を曲げての作業に疲れが見え始めた生徒一人一人に教師が励ましや後押しの言葉を掛ける。
「頑張れ!ファイトー!」
2時間ほどかけて、約100キロの米を収穫することができた。
大切なお米が落ちていないか、刈り終えた田んぼの中を皆で見て回る。誰かに言われなくても行動できる。これも今までの学びの成果だ。
今年の品種は「さとじまん」。今後は、収穫した米を脱穀し、精米、袋詰めまで生徒たちが行い、大井分教室のブランド米である『うまいう米(まい)』として、地域のスーパーマーケットや学校祭で販売する予定だ。
「どんな人が買ってくれるのかな」「おいしいって喜んでくれるといいな」と、生徒たちはお客さまの反応を想像している。
地域の支えがあって成り立つ米作り。地域の人たちの協力と頑張って育ててきた生徒の力が合わさり、今年も自慢のお米を作ることができた。
このような達成感の積み重ねが、生徒一人一人のさらなる意欲と自信につながっている。
さまざまな教室から、県教育委員会の指導主事や先生らで構成する「学び見守り隊」がリポート
神奈川県教育委員会では、他にも各校の取り組みを「元気な学校づくり通信『はにい』」で紹介。
http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f420082/