集団演技で学び合う
互いにこつを伝え合い「いいね!」

「チーム名、『カラフルピーマンズ』、見どころは、それぞれができる技を組み合わせたことです」
発表するのは、中学3年生5人。わずかに震える声が体育館に響く。「みんな、拍手!」。注目が集まり、気持ちが引き締まる。静まり返る中、曲が流れ、マット集団演技が始まった。
今回の授業で取り組んだマット運動の基本種目は、前転・後転・開脚前転・開脚後転の四つ。それらに自分たちが表現したい動きをうまく取り入れながら、集団演技の流れや、技の構成・組み合わせを考える。自分たちで用意した音楽に、合わせることができたら完成だ。

発表後は、終わったばかりの演技を動画で確認し、グループ内で互いに分析する。「このタイミングはよかったね」「足が伸びれば、もっといいね」。客観的に見る自分の姿に照れながらも、見直すことで新しいアイデアが生まれ、次の演技につながる。
グループの全員が、マット運動が得意であるとは限らない。だからこそ、伝え合い、学び合うコミュニケーションが生きてくる。「開脚後転がうまく回れないんだよね」「手をしっかりマットにつけて、反動をつけるといいよ」。互いにこつを教え合って、みるみるうちに完成度が高まっていく。そんな姿が、体育館のあちらこちらで見られる。
中には、話し合いに熱が入り、練習時間が少なくなったグループも。「もうすぐチャイムが鳴るよ。今、話していたことを、実際に体を動かしてやってごらん」。教師がひと声掛ける。「そうだね」「まずはやってみよう」。行動に移すのは、あくまで生徒自身だ。
笑顔でポーズを決め、演技を終えた彼女たち。「いいね!」。励ましの声と拍手に包まれ、次の目標へ歩み始めた。
さまざまな教室から、県教育委員会の指導主事や先生らで構成する「学び見守り隊」がリポート
神奈川県教育委員会では、他にも各校の取り組みを「元気な学校づくり通信『はにい』」で紹介。
http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f420082/