訓練と知識で命守る
初めての担架試乗に 「大丈夫だったね」

9月4日、県立津久井養護学校では全校の児童・生徒が、地震を想定した避難訓練と防災体験学習を行った。
「緊急地震速報です」と放送が入ると、各教室で教員が言葉を掛けるよりも早く、児童・生徒が身を低くして頭を守る。毎月1回行う訓練の成果である。緊張した雰囲気の中、避難指示の放送が流れると、児童・生徒は教員の指示を聞いて避難場所のグラウンドに移動した。表情は真剣だ。
続いて防災体験学習では、「株式会社河本総合防災」「相模原災害ボランティアネットワーク」「生活協同組合ユーコープ」の地域の協力の下、防災・減災をテーマにした八つのブースが用意された。児童・生徒は、各ブースを回り防災・減災について体験しながら学習をする。
小学部2年の児童は、教員からスタンプラリーカードを受け取ると、スタンプを押してもらうために各ブースでうれしそうにカードを差し出していた。日常と異なる環境が苦手な児童・生徒にとって、楽しく学べる工夫がされていた。

防災食の試食をするブースでは、実際に防災食を味わった。「どれがおいしい?」との問い掛けに、「これ!」と笑顔で答える児童・生徒たち。食事の好きな児童・生徒も多く、自分から手を伸ばす姿がたくさん見られた。災害時にもおいしく食事ができると分かったことは、安心感につながる。
担架のブースでは、児童・生徒が担架に乗って運ばれる体験が行われた。初体験の児童・生徒が多く、不安そうな表情が見られる。担架の上では力を抜いて身を委ねることが大切だ。担架の準備ができ、「行くよ!」という教員の掛け声を聞き、安定して進んでいることを感じると、担架に身を委ねることができた。体験を終え「大丈夫だったね」と話す生徒には安堵(あんど)の表情が浮かんだ。避難訓練と防災学習で一つ一つの体験を積み重ね、知識を獲得し活用することが災害時に自分の命を守ることにつながっていく。
さまざまな教室から、県教育委員会の指導主事や先生らで構成する「学び見守り隊」がリポート
神奈川県教育委員会では、他にも各校の取り組みを「元気な学校づくり通信『はにい』」で紹介。
http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f420082/