学びの場 地域に広げ
「遊ぼう!」と児童同士の関係性が一歩前進
小学部の20人の児童は、生活科の学習で地域に出掛ける授業に取り組んでいる。
授業では、交通ルールを守り、安全に歩くことと人との関わりを経験する中で、児童が自ら気持ちを発信することを体験を通して学んでいく。そのため、一人一人の体力や、集団活動の経験などから、異なる学年の児童同士で三つのグループに分かれて活動する。
この日の目的地は、学校から1キロほどの公園だ。低学年などのグループでは、立ち止まったり、座り込んだりして、列から離れてしまう児童もいる。そんな時は、「みんなと一緒に」「みんなで行こう」を合言葉に、声を掛け合う。
ある児童が途中で立ち止まってしまった場面では、教員が「6年生を見て。さすがだね、頑張って歩いているね」と声を掛けると、少しして「頑張る」と、自分から再び歩き始める。上級生がお手本となることで、児童同士が互いに意識しあい、関わりが生まれる。
公園に到着すると、児童同士の関係性がまた一歩前進する。「遊ぼう!」と上級生が元気に走りだすと、それを見た下級生が、「待ってー」と追いかける。こうして、児童同士の自然な追いかけっこの輪ができる。
また別のグループでは、ジャングルジムの頂上を目指してぐんぐん登る友達を見て、「すごいなあ」「私にもできるかな」と不安そうな表情をしていた児童が、しばらくすると自分から「登ってみよう」と、挑戦を始める。こうして、個々の発達の段階に合わせて集団で活動し、児童同士で学び合いを重ねる中で、それぞれの世界が広がっていく。
さらに、学校への帰り道では、「こんにちは」と声を掛けられることで、地域とのつながりができる。身近な人との関わりを経験し、学びの場が地域に広がることは、児童たちの将来の自立と社会参加の基礎となって、着実に積み上げられていく。
さまざまな教室から、県教育委員会の指導主事や先生らで構成する「学び見守り隊」がリポート
神奈川県教育委員会では、他にも各校の取り組みを「元気な学校づくり通信『はにい』」で紹介。
http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f420082/